【プロ厳選】世界のベストレストラン4選

今年の世界のベストレストランを4店舗に厳選し、簡単に紹介していきます。ほとんどの場合、料理研究家である筆者の経験に基づいて記述していますが、私自身が行ったことのないお店については、調査や同僚からの報告に基づき、詳細を記載しています。では早速、見ていきましょう!

  1. Noma(デンマーク、コペンハーゲン)

2010〜2012年の3年間連続で首位をキープしていたところ、2013年に王座を惜しくも奪われたNoma(ノーマ)が再びトップに返り咲きました!古くからの捕鯨倉庫を再利用し、建設されたこのレストランは、北欧の産物だけを使った「新北欧料理」の発祥のお店となっています。しかし、シーバックソーンやトナカイの地衣類を採集したオープン当初の質素なテイストから、このレストランは大きく進歩しています。最近のディナーコースは、まずコールラビを発酵させたジュースで胃を満たしてもらった後、ストローでつまんでココナツドリンクのような味に変化させることから始まります。

その次に、デンマークの伝統的なフリッターであるエーブルスキバーに、発酵させたバッタから作ったソースをかけたものが前菜として出てきます。コースの最後には、ジャガイモ、アーモンド、プラムのピューレというデザートで締められます。Nomaのシェフ、レネ・レゼピ氏とそのチームは、新北欧料理を見事に完成させたといえるでしょう。非常においしい料理だけでなく、魅力的なおもてなしサービスを提供し続けているのです。

  1. El Celler de Can Roca(スペイン、ジローナ)

El Celler de Can Roca(エル・セレール・デ・カン・ロカ)は、料理長のジョアン、ソムリエのジョセップ、パティシエのジョルディという3兄弟が率いているお店で、彼らは両親からレストラン経営のスキルを学んだそうです。しかし、これほどまでに大衆的な料理を生み出すのは相当難しいものです。このお店の料理は、しっかりとしたルーツを持ちながらも、その巧みなトリックに目をつい奪われてしまいます。

また、運がついていれば、ソムリエのジョセップが店内のワインセラーへと案内してくれます。そこには、イチ押しのワインセレクションがずらりと並べられており、あらゆる味わいが堪能できるかもしれません。

  1. Osteria Francescana(イタリア、モデナ)

Osteria Francescana(オステリア・フランチェスカーナ)をオープンした世界的に著名なシェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏は、荘厳なファサードの下で空想と回想の旅へと誘ってくれます。店内に入ってすぐに、壁に飾られた抽象的なモダン絵画を見れば、ここが典型的な高級イタリアンレストランでないことが分かりますが、その創造性はお皿の上でも発揮されています。アイスバー「マグナム」に見立てた一品は、フォアグラがたっぷり入った上品なおつまみになっている他、イタリアの子供たちに大人気のモルタデッラ・パニーノは、驚くほど軽いムースに変身します。

また、ボットゥーラには漆塗りのウナギにサバとポレンタが添えられていますが、これはポー川を遡上するウナギがリンゴとトウモロコシに遭遇するシーンをイメージしているそうです。料理に反映させられたストーリーによって、一品一品がより鮮やかになっています。

  1. Eleven Madison Park(米国、ニューヨーク)

スイス生まれのシェフ、ダニエル・フム氏は、ファーム・トゥ・テーブル(農場直送料理)の流れを汲みながら、フレンチのサヴォアフェールを加えて、ニューヨークにぴったりのレストランEleven Madison Park(イレブン・マディソン・パーク)を作り上げました。このレストランのロケーションは、地元で採れた食材だけでなく、ニューヨークの食の伝統に対するフム氏の深い造詣にも由来しているそうです。たとえば、素朴なニンジンはステーキのタルタルに、チョウザメはエブリシングベーグルにアレンジされているなど、コミカルな演出が施されています。食事だけでなく、エレガントながらもスピーディー、かつモダンで優れたサービスが受けられるので、最高の満足感を味わえるでしょう。